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オープンエンド 空紡糸(くうぼうし)(OPEN END)

綿紡績で一般的に使用される糸紡績技術には2つのタイプがあります。一つはリングヤスパン。リングスパンはさらにカードとコーマに分類されます。もう一つはオープンエンド。綿糸の元となる綿花の繊維は短く、そのままでは糸にすることができません。 綿花糸にするには、さまざまな工程があり、紡績(繊維の方向をそろえ、引っ張りながら撚りをかけること)の方法によって2種類の糸(リングスパン糸・オープンエンド糸)ができあがります。これらはいったい何が異なり,実際にオリジナルプリントを行う上で抑えておくべき知識はなんでしょうか?

リングスパン糸の特徴

リングスパンはリング紡績機でつくられており「リングスパン糸」と呼ばれます。しめ縄をつくる原理で紡績され、糸の表面は滑らかで強度のある糸に仕上がります。日本で流通しているTシャツの大半がのリングスパン糸を使用しています。リングスパンの紡績の過程でコーミングという工程があり短い繊維と長い繊維に振り分けられます。長い繊維で出来上がる生地がコーマ糸、短い繊維で出来上がる糸がカード糸となります。中間のセミコーマという糸もあります。コーマが最も高級で次にセミコーマ、そしてカードが品質ランクが低いとされますがカートのTシャツはオープンエンドにも通じるものがあり捨てがたい魅力があることも事実です。

オープンエンド糸の特徴

空気の流れで撚りを加えて糸にするオープンエンド紡績機で作られます。糸に適度な空気を含み、ガサ感があるのが特徴です。短く太い繊維で紡績され、アメリカンTシャツの多くはオープンエンドです。一般的にオープンエンドよりリングスパンのほうが高級とされていますが実際には糸の太さや生地の目の詰まり方は様々ですので一概には言えません。弊社取り扱いのオープンエンドシャツは実際にはリングスパンのTシャツより平均的に価格は高めです。

どちらを選ぶべきか

これら2種類の糸と出来上がる生地やTシャツのどちらが良いかという質問は適切ではありません。どちらを選ぶかは単純に好みの問題ですが実際に実物を見、さわり、着用しないと判断できない思います。言葉で違いを説明するのは限界がありますがリングスパンは細い糸も使用されますがオ―プンエンドは太い糸が使用されています。リングスパンの特にコーマ糸の風合いはソフトでなめらかですがオープンエンドはザックリした風合いでドライ感モあります。弊社取り扱いの綿のTシャツはほとんどがリングスパンですので商品紹介ページにはリングスパンと表記されていないことがあります。記載されていない場合はリングスパンということになります。一方アイテムがオープンエンド(OEと略します)の場合は商品紹介ページに必ず記載があります。

印刷現場の意見として、これは精密に検証した結果ではありませんが、濃色インクジェットプリントの場合オープンエンドの方が美しく上がる傾向があるようです。

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スクリーンの張り替え方

スクリーンの張り替えは、シルクスクリーン印刷の品質を維持し、長寿命を確保するために重要な作業です。以下に、スクリーンの張り替え手順について詳しく説明します。

まず、スクリーンを新しく張り替えるためには、古いメッシュを取り外す必要があります。これには、スクリーンの周囲にあるテープやクランプを緩め、フレームからメッシュを取り外す作業が含まれます。メッシュの端を慎重に取り外し、可能であればクリーニングを行います。

次に、新しいメッシュをフレームに取り付ける作業が続きます。メッシュをフレームに均等に張り付け、専用の接着剤やテープを使用して確実に固定します。この際には、メッシュが均等に引っ張られ、シルクスクリーン印刷に最適なテンションになるように調整することが重要です。テンションはプリントの品質に直結するため、丁寧な調整が求められます。

メッシュの張り付けが完了したら、スクリーンに感光性のエマルジョンを塗布します。エマルジョンは光に敏感で、デザインをプリントするためのパターンを形成します。エマルジョンが完全に乾燥したら、デザインの透明なフィルムを使用して、スクリーン上にデザインを転写します。

デザインの転写後は、スクリーンを露光装置にセットし、エマルジョンが光に反応して硬化するように露光します。硬化したエマルジョンを水で洗い流すことで、デザインのパターンがスクリーン上に残り、印刷に使用する準備が整います。

最後に、印刷作業に移ります。インクをスクリーン上に配置し、専用のツールを使用して均等にインクを広げます。スクリーンを素材に押し付けることで、デザインが正確に転写されます。印刷が終わったら、スクリーンをクリーニングし、次の印刷のために再利用できるようにします。

スクリーンの張り替えは、シルクスクリーン印刷の精度と品質を確保するために欠かせない作業です。丁寧な手順と正確な調整が、高品質なプリントを実現する鍵となります。

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シルクスクリーン多色刷り

シルクスクリーン印刷は、その独特な手法と高品質な仕上がりによって、多色刷りにおいても卓越した表現力を発揮します。この技術は、複数の色を鮮やかかつ精緻に表現し、様々な素材やアイテムにデザインを施すのに最適です。

まず、シルクスクリーン印刷の基本的なプロセスを理解することが重要です。この方法では、シルクなどのメッシュを張ったフレームを使用し、インクを通す穴を特定のパターンに設定します。各色ごとに異なるフレームを使い、積層することで多彩な色彩を実現します。この手法により、繊細なデザインや細かいラインワークを再現することが可能です。

多色刷りは、単色刷りと比較してより豊かな表現が可能です。異なる色を組み合わせ、グラデーションや影の表現を追加することで、デザインに深みと立体感を与えます。特にアートプリントやカラフルなアパレルアイテムなど、クリエイティブな表現が要求される場面で多色刷りの利点が際立ちます。

シルクスクリーンのもう一つの特長は、耐久性の高さです。高品質のインクを使用し、適切な焼成プロセスを経ることで、プリントが繰り返し洗濯や使用にも耐え、長寿命なアイテムを実現します。これは特に、ウェアやバッグ、ポスターなど日常的に使われるアイテムにおいて重要です。

また、多色刷りはデザイナーにとって広い表現の幅を提供します。写実的なイメージからアブストラクトなデザインまで、シルクスクリーン印刷は様々なスタイルに適応可能です。クリエイティブなアートプロジェクトやビジネスのプロモーションアイテムなど、目を引くデザインを実現する強力な手段と言えるでしょう。

総じて、シルクスクリーン印刷の多色刷りは、その高精細で耐久性のある仕上がりによって、様々な用途において優れた表現力を発揮します。クオリティの高いプリントを求めるなら、この技術の特長を理解し、熟練した職人の手で製作されたアイテムを選ぶことが重要です。

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